うつ病
うつ病とは
WHO(世界保健機関)の疫学調査によれば、うつ病の有病率は人口の3~5%といわれています。したがって、決してめずらしい病気ではありません。うつ病は女性なら5人に1人、男性なら10人に1人が、一生のうち一度はおちいる非常によく起こる病気です。うつ病の症状は、大きく分けて「身体の症状」と「心の症状」にわけられます。
症状
身体症状
よくみられる身体症状としては、全身倦怠感、食欲不振、不眠、頭痛、肩こり、めまい感、性欲減退、聴覚過敏(耳鳴り)、口渇(こうかつ)、胸部圧迫感、心窩(しんか)部(みぞおち)不快感、吐きけ、腹痛、便通異常、腰痛、手足のしびれなどが現れます。
また、不眠もうつ病の9割以上に見られる症状です。特に途中で目が覚める不眠がよく起こります。
不眠の状態が続くとうつ病が起こる可能性が高いこともわかっています。また、食欲も落ち、体重が減ってしまうことがあります。
心の症状
ゆううつで落ち込んだ気分となり、涙もろさや寂しさを引き起こします。
うつ気分は、誰でも愛する者と別れたり、大切なものを失ったりした時には感じるものです。
しかし、はっきりとした原因もなく、深いうつに陥ってなかなか抜けだせないことがうつ状態とされています。
うつ気分には、ゆううつ感、悲哀感、興味や喜びの感情の喪失などがあります。
今まで興味を持って取り組めた事柄に興味がなくなり、楽しくなくなります。
何をするにもおっくう、意欲の低下、集中力の低下、決断力の低下、性欲の低下、行動の遅滞など生命エネルギーの減退による意欲・行動の障害が現れます。
考えが進まない、まとまらないなどの思考の抑制や自分、社会、将来に対しての悲観的な考え方が多くなります。そして、自分は「だめな人間だ」と強く思い込んでしまうこともあります。その結果として「自分などこの世にいらない」と自殺を考え出してしまうことがあります。
うつ病では、しばしば朝方調子が悪く、夕方には元気がでてくるという日内変動を示すことがあります。
朝に症状が強く、夕方になると少し楽になるということがよく起こるため、家族の方は帰宅後の様子を見て、「たいしたことない」と誤解してしまうこともあります。
また、うつ病には周期性変動のあることが知られており、1年~数年の周期で反復したり、季節的に春と秋に悪くなるケースが多いとされています。また、明らかな「躁」と「うつ」の周期を繰り返すものは「躁うつ病」と呼ばれています。
うつ病の治療法
うつ病の治療は、抗うつ薬を中心とした薬物療法が主体ですが、何よりも信頼できる医師に相談することが大切です。うつ病から自殺をしてしまった人々の多くは、専門医を受診されていないということがわかっています。
うつ病の症状でもある「うつ気分」や「思考障害」により、適切な治療を受けていない傾向があるためです。 また、ものの見方が否定的になると辞職や離婚などにつながり、結果的に自分を取り巻く環境が悪化してしまいます。
したがって、早めに治療を開始することが大切です。
もし、うつ病の可能性に周囲が気づいたときは、本人はうつ気分のせいで医療受診は気が進まないことを念頭におきながら、医療受診を勧める必要があります。
うつ病は心身の疲労状態ですから、休養をとることも大切です。仕事のペースを落としたり、しばらく休暇をとったり、場合によっては入院したりすることも必要です。
うつ病になりやすい人
うつ病になる人は、几帳面で徹底的にやらないと気が済まないタイプの人が多いようです。
性格としては、仕事熱心、こり性、生真面目、几帳面、正義感・責任感が強いなどの特徴があります。
このような人の落とし穴は、環境の変化に柔軟に対応できにくいという傾向があります。
他人との関係を重視するあまり、「No」といえずに何でも引き受けてしまい、無理を重ねた後に仕事がこなせないと「自分の責任だ」と思い込んでうつ状態になってしまうというわけです。
生活の注意点として




















